それでも地球は回っている!発生、感染拡大から1年、新型コロナとはいったい何者なのか?

新型コロナウィルス、COVID-19と名付けられた新種のインフルエンザウィルスは、昨年の12月にすでに中国・武漢で確認されていたという。

新型コロナウィルスとインフルエンザは、両方とも伝染性の呼吸器疾患だが、それぞれ異なるウィルスによって引き起こされる。簡単に説明すると、毎年2月にでるその年に流行しそうなインフルエンザの種類が発表されてから、そのインフルエンザウィルスに対するワクチンが製造される。ワクチンがその年のインフルエンザに該当しない場合も、インフルエンザワクチンを接種していれば、重篤化は防げると言われている。インフルエンザの種類はある程度、類似していて、ウィルスを封じ込めるワクチンが開発されている、のがインフルエンザだ。新型コロナウィルスもすぐにワクチンが開発されるだろうと誰もが思っていた。が、今回の新型コロナウィルスでは、コロナウィルスの変種の速さやすぐに宿主が分からなかったことなどから、効果的なワクチンがまだ開発されていない状態だ。

通常のインフルエンザワクチンは、ニワトリ卵から造られる。これも鶏卵アレルギーがあった場合は、無効となるので完全なワクチンとは言えないだろう。その点では、インフルエンザワクチンも別のアプローチから研究を重ねている。

アメリカでは、このインフルエンザワクチン製造のニワトリ卵の確保を、国家安全保障に係るものとして、養鶏場を確保している。そのくらい、インフルエンザ(伝染性呼吸疾患)がパンデミックを引き起こす、高い感染率をもっていると定義しているのだ。もちろん今回も、ワクチンなど存在しない新種の新型コロナウィルスは、恐るべき感染率を誇り、その拡大も尋常ではなかった。

このパンデミックによって、ここ数年、グローバライゼーションと叫んでいた全世界が、この1年間全く動くことができなくなった。新型コロナウィルスの感染拡大は、完全にこのグローバリゼーションに便乗して世界を飛び回り、究極のグローバライゼーションとして行きつくとこまで行って、究極のローカライゼーションを作り出した。全世界がロックダウンをしたり、規制を作り始める。世界をひと昔前に引き戻した、これが新型コロナウィルスだ。

ただ、現在人々は、長引く新型コロナウィルスに、すでに慣れてしまった感がある。ニュースでは、パンをいつも店頭で配布していたイタリア人パン屋店主がコロナで亡くなったという記事や、空港関係スタッフにコロナ感染者がでた上海では、スタッフにPCR検査を促したが迅速に行かず、スタッフが押し寄せる騒ぎになったり、と様々なニュースがあり、それがコロナに起因するのが、いまでは当たり前のようになっている。今までいたであろう人がコロナでいなくなってしまう、今まで行けてたであろう場所に行けなくなっている、新型コロナは、あまりにも便利で自由になりすぎた人類への警告なのかもしれない。

新型コロナウィルスを通して、今いちどグローバリゼーションとローカライゼーションの意味を考えるべき時が来ているような気がする。