昔から、「柿が赤くなれば(熟せば)、医者が青くなる」と言われるほど、柿の効能は知られていて、栄養が豊富に含まれている。柿に含まれるカリウムは、塩分を排出し高血圧の予防にも効果があり、ビタミンCは、柿1個ですでに1日の必要摂取量をとれるほど。疲労回復や風邪の防止、老化防止にも役立つといわれている。また、柿に含まれているビタミンCとタンニンは、血中のアルコールを外へ排出、血中アルコール濃度の上昇を防ぐ。それが、柿は二日酔いに効くといわれている所以だ。
この度、奈良県立医科大学が発表したところによると、この「柿渋」が新型コロナウィルスを無害化させることができるという。
「柿渋」は、日本で古くから、塗料の成分や漁網の補強などに使用されていた。渋紙とよばれる和紙に柿渋を混ぜたものや、民間療法として飲まれていたこともあるとか。塗料などとして使用すると防虫効果があったとされている。「柿渋」の作り方としては、単純で簡単だ。渋柿を圧搾して、発酵・熟成させるのが一般的。渋柿の汁として「柿渋」ができるわけだ。
今回の研究では、この柿渋(高純度のもの)を新型コロナウィルスと唾液を混ぜたものに加え、10分間放置したところ、新型コロナウィルスの無害化が確認されたという。柿渋を加えたことにより、新型コロナウィルスを1万分の1以上までに不活化させることに成功したというのだ。
これは新な希望の光が差し込んできたようだ。やはり先人たちの知恵というのは素晴らしい。
大学側は、「柿渋を何等かの形で、あめやガムなどに混ぜ込み口に含むことで、新型コロナウィルスの予防が可能になるかもしれない。実験として、唾液を混合するなど、口腔内に類似した環境で行った実験結果ではあるが、まだ人で証明したものではないので、更なる臨床研究が必要だ」、としている。
確かに、ただ単に柿を食べればよいということではないが、柿自体にふくまれる成分(今回は柿渋)がやはり、多くの病気や疾病に強いということが証明されたようだ。言い伝え的なものは、何等かの理由があって何代も、何年も語り伝えられているのだ。そして、日本国内で柿を最も多く作っているのが奈良県。まさにこの研究にはうってつけだったと言えるだろう。
イギリスでのワクチンは、臨床試験段階で副作用が見られ、日本で予定されていた治験も中断された。中国のワクチンは、約5万人に接種済みだというが、それが今後どうなるのか?世界的なコロナ禍で、巷では、新型コロナウィルスのワクチンを制した者が世界を制すと言われているほど。効果が強ければ強いほど、副作用も高くなるだろう。そんな中で、この「柿渋」は唯一、天然の食品からとれるものであり、身体に害はない(アレルギーの方などは除く)。予防できるとしたら、人体には最も適している「ワクチン」だと思う。
もちろん、更なる研究によって、臨床試験や証明を取り、我々の古来からの知恵である「柿渋」が救世主となってくれることを、願っている。