現在、全世界からの需要で天手古舞中(だと思う)の製薬会社ファイザー、アストロゼネカがこぞって、EU(応酬連合)へのワクチン供給を停止した。いずれも、供給増加の為生産ラインの見直しが必要というのが原因としているが、EU(応酬連合)では「法的措置も辞さない」と鼻息が荒い。それもそのはず供給は約6割減額されるというではないか。
イタリア首相もこの供給減少にSNSで懸念を投稿。イタリアには予定供給数の半分以下の340万回に減少されるそうだ。これは明らかに重大な契約違反だとし、イタリアでは、ファイザーとアストロゼネカを提訴する方向でいる、とのこと。
ファイザーとアストロゼネカと言えば、日本も多量の供給をお願いしている製薬会社であって、そのワクチンの有効率も90%以上のため、引く手あまたの会社ともいえる。日本のワクチン接種に関しては、ワクチン接種担当大臣と任命された河野氏が、ワクチン接種スケジュールや接種方法などに関して説明などをしている。現時点での予定では、2月下旬より医療従事者からワクチン接種が開始、3月下旬から高齢者、4月から基礎疾患のある人や高齢者施設従業員が接種可能となり、一般市民は4月以降になる見込みと発表されている。
日本国民は基本、無料でワクチン接種可能(1月26日時点)であり接種は努力義務と聞いている。日本はオリンピック・パラリンピックの開催という大きな課題も控えていて、ワクチン接種スケジュールは重要なポイントとなるだろう。
しかし、そのワクチンの製造が追い付かないことから、ヨーロッパ諸国は供給削減や納入半減などが求められている。確かにその納入数は膨大な数字だとは思うが、実際問題、こうした現状を踏まえて、日本へのワクチン供給は確実なものだろうか。ワクチン接種が開始しても接種を考えるという人も多くはいるが、やはり数が足りないのは頂けない。「足りない」というのと「足りているけど接種しない」とでは、心のゆとりが少し違うような気がする。
日本政府のワクチン購入は、数社に分けて確保されている。今までの発表によると、ファイザー及びアストロゼネカは各1億2000万回分、モデルナは5000万回分、アメリカ・ノババックスからは最大2億5000万回分の予定だ。数字は、十分に日本国民のワクチン接種に足りる数だろう。しかしここ数日目にする、EUへの納品が削減するニュース。イタリア、ハンガリーなどは前述のように、提訴もいとわないというほどだ。両国ともに接種計画に支障をきたすとも言っている。どうか4月ごろには生産・供給も安定し、無事に全数ワクチンが納品されることを祈っている。
ワクチン接種は新政権の行方を握る重要な鍵とも言われている。ワクチン接種担当相の補佐官として“デジタル化”がお得意の小林史明議員が任命された。今後、どのような方法で、ワクチン接種のスケジュールや方法を明確化していくのか、彼らの手腕が試されるところだ。この「ワクチン接種」によって、現政府の迷走っぷりを修正してもらいたいものである。