京都府立医科大学の研究チームは、新型コロナウィルスとインフルエンザウィルスの生存時間を比較研究し、人間の皮膚に付着した場合、その生存時間が、通常のインフルエンザよりも約5倍以上生存していることをつきとめた。比較したのはA型インフルエンザウィルスと新型コロナウィルスで、それぞれが人体の皮膚に付着した場合の生存時間を検証した。結果、A型インフルエンザウィルスは1.82時間生存したが、新型コロナウィルスは、その5倍も長い9.04時間も生存していたことが判明した。
これだけでも新型コロナウィルスのしぶとさがわかる結果だが、通常のインフルエンザウィルスよりも5倍も生存時間が長いとは、興味深い結果だ。この研究結果は、「Clinical Infectious Diseases」という学術誌に発表されている。
しかしながら、手の消毒などエタノールで拭いた人間の皮膚では、両者とも15秒で非活性化(死んだ状態)となった。これは、現在奨励されている手の衛生管理などがどれだけ重要かを裏づけた結果となっている。この結果が人々に認識されると、大勢の学者や有識者も呼びかけているように、うがい・手洗いの必要性が、再度見直されることになるのは必至だ。
研究チームは研究結果として「新型コロナウィルスの生存時間(最長9時間)をみると、接触による感染拡大の危険が非常に高く、対処法として適切な手の衛生管理や手洗いなどの重要性が顕著になった」としている。
新型コロナウィルスの生存時間に関しては、各国で研究が進んでいて、ドイツの研究チームによると、物体表面(人体皮膚ではない)に付着して新型コロナウィルスは最長9日間生存が可能であると発表をしている。一般的なこれらコロナウィルスは、アルミニウム、紙、プラスチックなど表面で平均4~5日間生存が可能だともいう。
また、その他諸条件によっても生存確率は高くなり得るともいうため、新型コロナウィルスの感染力がどれだけ高いか驚くべきところである。こういった研究結果を読み比べてみると、今回の新型コロナウィルスが怖がられている背景には、このウィルスの未知数が大きいことではないだろうか。人は、知らない物を恐れる。有効なワクチンが未だないため(未知数が高い)、生存時間なども通常と異なり分からないことが多いため、新型コロナウィルスは脅威を振るっているのである。
多くの情報を紐解くと、そうした未知数が高い割には、意外と基本的処置にも弱いとも思う。新型コロナウィルスに立ち向かえるのは、清潔にする初歩の初歩、うがい・手洗いが効くのだ。
手洗いは、日本では幼い頃から教え込まれることである。最良のワクチンが発見されていない現在、手洗いをして新型コロナウィルスを秒殺することが最良の方法。外出し帰宅した時、そのまま皮膚に付着したかもしれないコロナウィルスをそのままにしておいてはいけない。できるだけ、帰宅後はシャワーを浴びて外に汚れを洗い流すのが得策と言えるだろう。手指の消毒、うがいは習慣化するに越したことはない。