![](https://pixon.com/wp-content/uploads/2020/05/アメリカ人工呼吸器.jpg)
今月8日に行われた、日米電話協議で、
トランプ大統領は、日本に対して
大量生産によって作り出された人工呼吸器を
買い取るように打診したとされる。
安倍首相は、購入を約束した。
2,3月と、その脅威を世界中に示してきたCOVID-19。
世界各国で感染拡大が進んでいく中で
叫ばれてきたのが、「医療崩壊」である。
現時点での医療体制では、
急増加する感染者に対して治療が追い付かないことになる。
医療機器、医療薬品、医療関連品などの確保に走っていた。
アメリカでの感染拡大はまさに「恐怖」だった。
医療崩壊がすぐそこまできている。
アメリカ政府は、来るべき崩壊を防ぐために、
「国防生産法」に基づき、3月下旬、GM(ジェネラルモーター社)に
人口呼吸器の大量生産を命じていた。
人口呼吸器製造に関しては、
緊急時とは言え、自動車メーカーで医療機器が取り扱えるのか、
という声もあり、品質や精密性に疑問をもつ人もいた。
GM社では、医療機器メーカーと連携し、
米政府が認証する人工呼吸器を生産するとしていた。
4月末の記者会見でも、トランプ大統領は、
人工呼吸器に関して、
フランス、イタリア、メキシコなどにも提供することを発表している。
![](https://pixon.com/wp-content/uploads/2020/05/特例承認レムデシビル.jpg)
当初、日本政府は、
「人工呼吸器は不足はしていない」と断りをいれた。
だが、世界的な医療機器不足などを鑑みて、
第2、第3波を考慮にいれ、
1000台の購入を決めたという。
「日本にも余剰品があるにこしたことはない」
「日本製より格安になっている」と購入決定の必然性を強調しているが、
今回の、電話協議で米国に過剰在庫の引き受けを押し付けられた感は否めない。
その他、医療機器確保に関しては、
韓国政府が、日本にPCR検査キットの提供を検討しているが、
こちらは、日本政府からの要望があってからとされている。
日本政府は、
「米政府からの打診はあったが、韓国からは何もない」と語っている。
8日の電話協議では、人工呼吸器以外に、
COVID-19の治療薬とされている「レムデシビル」も話題にのぼった。
電話協議後の12日には、厚生労働省がレムデシビルを
正式に特例承認した。
米食品医薬品局(FDA)が同薬に緊急使用許可をだしていることを受けての措置だ。
ただし、レムデシビルの使用は、
重症患者を対象に処方することが原則で、
しばらくの間、対象患者は、
気管挿管や体外式模型人工肺を使用している入院患者のみとなる。
今回のCOVID-19では、
世界的に深刻なマスク、医療機器不足などが明るみにでたが、
少しずつでも、その対応や治療に進歩がみられてきている。
その都度、緊急時にどんなものが必要となるのか、分からないことも多い。
日本政府が今回購入した人工呼吸器の予備も、
使用せずにCOVID-19が終息するのを期待したい。