4月末、1000点以上もの武研究所関連の資料を持って在フランス米国大使館に亡命した、とされていたコロナウィルス研究所の石正麗(セキセイレイ)主任は、5月2日にWeChat(中国版LINE)にて、今までの”亡命説”報道を結論しました。
環球時報サイトの情報によると、コウモリの持つウィルス研究に尽力してきた彼女達チームは、一連の陰謀説にとても困惑及び心外だったとの事。
WeChat内文章では、
”親愛なる皆さん、私と家族は無事に過ごしています。
どんなに多くの困難があろうとも、亡命の噂にでてくるようなことはありえません。
我々は何も間違ったことはしていませんし、我々の心には、科学への硬い信念が存在しています。
いつか必ず雲がはれ太陽がでる日があると思っています”と書かれていたそうです。
彼女が2月にアメリカの科学誌「サイエンティフィック・アメリカン」のインタビューで語っていたところによると、
「昨年12月30日に上海からの情報を知った時、まさかこのような事態が中国の中心部・武漢でおきるとは何かの間違えではないか」と感じながらも、
「まさか、自分たちの研究所から漏れたのだろうか?」
と自問自答していたとのこと。
16年来の研究結果で、広東、広西、雲南など中国南部で見られる、特にコウモリを媒介とするコロナウィルスは人類に最大の危機を与えると分かっていた彼女は、コロナウィルス患者からのサンプル検体の検査で、それらのウィルス配列が、自分たち研究チームが扱っているコウモリのウィルス配列と、どれも一致しないことが分かり、胸を撫でおろしたそうです。
中央通訊社によると、
2月2日の時点で、彼女はすでに、こう言った報道を否定しており、「この新型コロナウィルスは、実験室からもれたものではなく、自然界が非文明的な生活をおくる人類にあたえた罰だ」
と語っています。
5月1日には、
世界保健機構(WHO)公衆衛生緊急計画実行主任のマイケル・ライアン氏は、
「このウィルスが自然界から来たことは確実だ」とも表明しています。
ウィルスが自然界からのものであるなら、確かに我々の生活自体を全ての観点から見直さなくてはいけないのだと思います。
ただ、陰謀説にしろ、陰謀否定説にしろ、現在でもその勢いが留まることを知らないこのウィルスを前にしては、ただの水掛け論。
一日も早い、自体の終息に尽力すること、そして、そのウィルスの起源を透明度の高い調査ではっきりとさせることが、全世界の人々が納得し、新しい未来へと進んでいける唯一の方法なのではないでしょうか?