この度、GPS情報などをもとにしたNTTデータによると(4月19日午後3時時点)、各地域の人の推移混雑統計では、感染拡大前の1、2月とくらべ、新宿では79.9%、渋谷センター街は77.6%、大阪梅田では86.9%の大幅減少となり、大都市でことごとく減少傾向となっている。ここ数日Twitter、FBなどのSNSでも、閑散とした誰もいない都心の写真や映像が紹介されているのをよく見る目にする。
その反面、大都市とも見違える混雑ぶりとなったのが、都内の公園や自然溢れる地域や広場だ。最近、園内や広場などは、運動不足解消をするために訪れた人々で賑わっているのだ。ひと目見ると、健康的でコロナウィルスにも打ち勝てそうな光景なのだが、実はそこに危険が隠れていた。
今回のコロナウィルスで注目されはじめた「ソーシャルディスタンス」というワード。「お互い同士が不快にならない間隔」としてヨーロッパやアメリカでは古くから使用されていたが、日本では、最近になって耳にするようになったのではないだろうか。
そのソーシャルディスタンスだが、特にコロナウィルス感染防止として推奨されているのが2m、クシャミや咳、おしゃべりなどで飛沫が飛んでくる範囲が2mと言われているからだ。
大勢の人がこの情報を得て、ニューマナーとしてとらえ、そのように行動しようと努めていると思う。そして実際、外出時でも気にしている人も多く見受けられる。
がしかし、ここでオランダとベルギーの大学による驚くべき共同研究が発表された。それは、「日本人が好むジョギングをした場合、ソーシャルディスタンスが2mでは、飛沫が飛んでくる可能性が十分にある」 というのだ!
大学研究結果のシュミレーションビデオによると、走行者の背後では、螺旋状の気流が起こり、呼吸などにより口からでた唾液はこの気流に乗り、後方へと飛び散るという。そのため、2m後ろにいてもこの飛沫をかぶってしまうという理論だ。
この飛沫を避けるためには、例えば、ウオーキングをした場合(時速4km)だと4~5mが必要。ジョギングでは10m、さらに、自転車走行の場合は20mも離れる必要があるというから驚きだ
研究者たちのは多くの人に、こういったリスクを回避するように呼びかけ、ジョギング時の注意事項も伝えている。
ジョギングが趣味で、自らも医師である東京理科大学の鈴木立紀准教授曰く、「飛沫を受ける可能性で言うと、走行者の真後ろを走らないことが大事。走行者から離れた横または斜め後ろくらいが、現時点での一時的な感染リスクは低いと思われる」とのこと。またジョギング好きとして、「人との距離を空けて追い越すというマナーも大切」だと語っている。
走ることが大好きな日本人、普通なら健康に最適として親しまれているジョギングだが、
新型コロナウィルスが横行している現在、上記の注意事項に留意して、目に見えない敵に十分気を付けてもらいたい。